アニメーション動画の制作会社の選び方|発注前に確認する7項目

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アニメーション動画の制作会社の選び方|発注前に確認する7項目

制作会社に問い合わせをしたとき、向こうから最初にどんな質問が返ってきたかを覚えているでしょうか。 「どんな動画をお作りしますか?」と聞かれたか。それとも「その動画を、誰に、どこで見せますか?」と聞かれたか。 たった一言の […]

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制作会社に問い合わせをしたとき、向こうから最初にどんな質問が返ってきたかを覚えているでしょうか。

「どんな動画をお作りしますか?」と聞かれたか。
それとも「その動画を、誰に、どこで見せますか?」と聞かれたか。

たった一言の違いですが、ここにその会社の設計力がかなり出ます。前者は言われたものを作る会社の聞き方、後者は目的から逆算して作る会社の聞き方です。

いま、発注先を選ぶ難易度は上がっています。国内の動画広告市場は2025年に8,855億円(前年比122.2%)と推計され、2026年には1兆円を超える見込みです(サイバーエージェント/デジタルインファクト調べ)。市場がこれだけ伸びれば、参入してくる制作会社も増えているはずです。選択肢が増えたぶん、「どこも良さそうに見えてしまう」状態になっているのが今です。

この記事では、実際に発注を受けている制作会社の側から、発注前に確認しておきたい7項目をお伝えします。あわせて、制作側が「聞かれて困る質問」と「早めに聞いてほしい質問」も正直にお話しします。読み終わる頃には、相見積もりで並んだ数社を、自分の言葉で比べられるようになっているはずです。

確認する7項目|先に全体像

アニメーション動画の制作会社を選ぶときに発注前に確認する7項目の一覧図

細かい話に入る前に、7つを先に並べます。

  1. 最初のヒアリングで「誰に見せるか」を聞かれるか
  2. 実績を「本数」ではなく「目的と結果」で説明できるか
  3. どの工程を自社でやり、どこから外に出すのか
  4. 動かす前に、完成形を見せてもらえるか
  5. 修正は「何回まで」より「どこから追加費用か」
  6. 日程に「こちらの判断の締切」が書かれているか
  7. 見積書の項目が分解されているか

このうち、①②④は問い合わせと初回の打ち合わせだけで判別できます。時間がない方は、まずこの3つだけでも確認してください。それだけでも候補はかなり絞れます。

① 最初のヒアリングで「誰に見せるか」を聞かれるか

設計から関わる制作会社は、いきなり動画の中身の話をしません。先に聞くのは、次のようなことです。

  • この動画を誰に見せたいのか(年齢・職種・その人がいま抱えている困りごと)
  • どこで見せるのか(SNS広告/YouTube広告/自社サイト/展示会/営業の商談/社内研修)
  • 見た人に何が起きたら成功なのか(問い合わせ/資料請求/名前を覚えてもらう)
  • いまその役割を、何が代わりに担っているのか(紙の資料/営業担当の口頭説明)

なぜこれが判断材料になるのかというと、同じ商品でも、見せる場所が変われば作るべき動画が変わるからです。

分かりやすいのが音の扱いです。同じ「動画広告」でも、流す場所によって前提がまるで変わります。

  • SNS広告|タイムラインを流し見する中で再生されるため、音を出さずに見る人が多い。最初の数秒は、文字だけでも意味が通る設計が要ります
  • YouTube広告|見たい動画の前後に流れるので、もともと音を出して見ている人が多い。ナレーションや効果音が効きますし、少し尺を使って語ることもできます
  • 商談や展示会|担当者が横で補足できるぶん、情報量を増やせます

つまり掲載先を聞かずに作ると、力を入れる場所を間違えます。SNS向けなのに音に予算を寄せたり、YouTube向けなのに字幕だけで押し切ったりといったことが起きます。この前提を聞かないまま見積もりが出てくる場合、その金額の根拠も薄いと考えて差し支えありません。

こう聞き返されたら良い兆候

その動画がうまくいったと判断する基準は何ですか」と聞かれたら、かなり良い兆候です。成果から逆算して作る習慣がある会社の質問だからです。

② 実績は「本数」ではなく「目的と結果」で見る

制作実績のページを見るとき、多くの方は本数と見た目のきれいさで判断します。これはあまり役に立ちません。きれいな映像は、いまでは多くの会社が作れるからです。

見るべきは次の3点です。

  1. 自社と近い課題の実績があるか|業種が同じかどうかより、「形のないサービスを説明する」「複雑な仕組みを短く伝える」といった課題が近いかのほうが重要です
  2. その動画が何のために作られたかが書いてあるか|ターゲット・掲載先・狙いまで説明している会社は、実はそう多くありません
  3. 同じ会社から続けて発注されているか|少なくとも進行の面では問題が起きなかったという手がかりになります。実績ページからは読み取れないことが多いので、打ち合わせで「この会社さんとは何本目ですか」と聞いてしまうのが早いです

打ち合わせの場では、実績を1本指して「これはどういう狙いで、この見せ方にしたんですか」と聞いてみてください。企画から関わった会社なら即答できます。編集だけを請け負った案件だと、ここで答えが止まります。

③ どの工程を自社でやり、どこから外に出すのか

これは制作側があまり自分からは言わない話ですが、発注先を選ぶうえでかなり効く確認項目です。

アニメーション動画の制作は、おおむね企画・シナリオ/絵コンテ/イラスト・デザイン/アニメーション/音の仕上げに分かれます。会社によって、どこまでを社内で持っているかが違います。

  • 企画から音まで一貫して自社で持っている会社|途中で方針が変わったときの調整が速い
  • 企画と進行だけを担当し、制作は外部に出す会社|幅広い作風に対応できる反面、細かい修正の往復に時間がかかりやすい

どちらが良い・悪いという話ではありません。知らないまま進めると、「この直しに、なぜ1週間かかるのか」が分からず、お互いに不信が生まれるのが問題なのです。

聞き方はごく簡単なもので構いません。「イラストとアニメーションは、社内の方が担当されますか」。これだけで、修正の往復にかかる時間の見当がつきます。

④ 動かす前に、完成形を見せてもらえるか

絵コンテとビデオコンテの違いを並べて比較した図

アニメーション制作でもっとも手戻りが高くつくのは、動かし始めたあとの方針変更です。絵を1枚描き直すのと、動きがついた映像を作り直すのとでは、必要な手間がまったく違います。

そこで確認したいのが、絵コンテビデオコンテです。

  • 絵コンテ|場面ごとの絵と台詞を紙芝居のように並べたもの。どんな順番で何を見せるかが分かる
  • ビデオコンテ|その絵コンテに仮のナレーションと時間をつけ、実際の尺で流して確認できるようにしたもの

ビデオコンテまで出してもらえると、完成の姿をかなりの部分まで事前に確認できます。「思っていたのと違う」の多くは、この段階で防げます。粕田屋でも、アニメーションに入る前にビデオコンテでご確認いただく進め方を標準にしています。

問い合わせ段階での質問はこうです。「動かす前に、尺の分かる状態で一度見せていただけますか」。ここで渋られる場合は、後半の手戻りに注意が必要です。

⑤ 修正は「何回まで」より「どこから追加費用か」

見積書で多くの方が気にするのが修正回数です。ただ、回数だけを見ても、実際のもめごとは防げません。

本当に確認すべきは2つです。

  1. 1回の修正に、どこまで含まれるのか|文字の直しが10か所で「1回」なのか、1か所ごとに「1回」なのか
  2. どの工程に戻ると追加費用になるのか

とくに②が重要です。同じ「修正」でも、完成間近に文字を直すのと、完成後に構成そのものを変えるのとでは、意味がまったく違います。後者は工程をまたぐ作り直しなので、費用にも日程にも影響が出ます。

発注のつまずきとしてよく挙げられるのも、この完成後の修正をめぐる追加費用です。「修正対応可」という一文だけを見て安心せず、どこからが追加になるのかを、契約の前に言葉にしておくことをおすすめします。ここを先に言葉にしておくと、制作側も遠慮なく「それは工程が戻ります」と言えるようになるので、結果的にお互いが動きやすくなります。

なお粕田屋では、修正の考え方をプランごとに定めています。詳しくはサービスページをご覧ください。

⑥ 日程は「納品日」ではなく「判断の締切」で握る

制作会社から出てくる日程表は、たいてい制作側がいつ何をするかで書かれています。しかし発注側にとって本当に必要なのは、自分たちがいつまでに何を決めなければいけないかです。

アニメーション動画では、発注側の判断が次の場面に集中します。

  1. 企画・シナリオの確定(ここが遅れると、以降のすべてが後ろにずれます
  2. 絵コンテ・ビデオコンテの確認
  3. 登場人物や画面の見た目の確定
  4. ナレーション原稿の確定

ここで意外と多いのが、社内の承認に時間がかかって日程が崩れるケースです。制作の日数は見積もっていても、上長や法務の確認にかかる日数を数えていないと、公開日に間に合わなくなります。

ですので、日程表をもらったら「こちらが決めるべきことと、その締切を書き足してください」とお願いしてください。これに応じられる会社は、進行管理の経験があります。

⑦ 見積書の項目が分解されているか

「アニメーション動画制作一式」とだけ書かれた見積書は、比べようがありません。項目が分かれているほど、その会社は自分の工数を把握していると考えてよいでしょう。

最低限、次のように分かれていると比較できます。

  1. 企画・構成・シナリオ
  2. 絵コンテ・ビデオコンテ
  3. イラスト・デザイン制作(点数で変わります
  4. アニメーション制作(尺で変わります
  5. ナレーション(収録の方法で変わります)
  6. 音楽・効果音
  7. ディレクション・進行管理

金額そのものより、どの項目が厚いかを見てください。企画が厚い会社は設計に時間をかける会社、アニメーションが厚い会社は動きの作り込みに寄せる会社です。自社が今回求めているものと、厚みの位置が合っているかが判断の軸になります。

ちなみに粕田屋が公開しているプランは、ライト5万円〜/ベーシック50万円〜/プレミアム120万円〜です。これだけ幅があるのは、上の内訳項目のうちどこまでを含むかが変わるためで、さらに尺の長さとイラストの点数でも大きく動きます。金額が動く理由については、動画制作の費用は何で決まるのかで詳しく書いています。

相見積もりは「条件をそろえてから」取る

ここまでの7項目を確認しようとすると、ひとつ問題が出てきます。各社にバラバラの伝え方をしていると、そもそも比べられないという問題です。

よくあるのが、A社には「1分くらいのアニメで」と伝え、B社には「会社紹介の動画を」と伝えてしまうケース。これだと金額の差が、各社の価格差なのか、想定している中身の差なのか、判別できません。

そこで、問い合わせの時点で次の6つだけは全社に同じ文面で渡すことをおすすめします。

  1. 目的(何のために作るのか、見た人にどうしてほしいのか)
  2. ターゲット(誰に見せるのか)
  3. 掲載先(どこで流すのか。複数あるなら全部)
  4. (決めきれなければ「30秒と60秒の2案で」と幅で伝える)
  5. 公開希望日
  6. 予算の範囲

この6つがそろっていれば、返ってくる提案の差がそのまま各社の考え方の差になります。金額だけでなく、同じ条件を渡したときに、どこを厚く提案してきたかを見てください。そこに各社の得意分野が出ます。

逆に、この6つを渡しても質問を返してこない会社には注意が必要です。実際には、これだけでは決まっていないことがまだ残っているからです。良い会社ほど、ここから追加で3つも4つも質問してきます。

制作側が「聞かれて困る質問」と「早めに聞いてほしい質問」

ここは立場を変えて、受ける側の正直なところをお伝えします。発注先選びの参考になるはずです。

聞かれて困る質問

  • 「だいたいいくらですか」|用途も尺も決まっていない段階では、幅でしかお答えできません。結果的に高めの数字をお伝えすることになり、お互いに損をします
  • 「良い感じにお任せします」|自由に見えて、実は一番やり直しが増えます。判断の基準がないため、出した案の良し悪しを決められないからです
  • 「他社だともっと安いのですが」|含まれる工程が違うだけのことが多く、同じ条件に並べ直さないと比較になりません

早めに聞いてほしい質問

  • 「公開日が◯月◯日に決まっています。そこから逆算してもらえますか」|最初に言っていただければ、工程の組み方で吸収できることがあります
  • 「社内の承認が2段階あるのですが、日程に織り込めますか」|これは本当に助かります
  • 「素材はこちらで何を用意すればいいですか」|早いほど費用も日程も有利になります
  • 「予算はこの範囲です。この中で何ができますか」予算を先に言うと足元を見られる、と思われがちですが逆です。範囲が決まれば、その中で最大限の組み方を提案できます

まとめ

冒頭の問いに戻ります。最初に「誰に見せますか」と聞いてきた会社は、目的から逆算して作る習慣があります。判断に迷ったら、まずそこを思い出してください。

発注前に確認する7項目を、もう一度並べます。

  1. 最初のヒアリングで「誰に見せるか」を聞かれるか
  2. 実績を「目的と結果」で説明できるか
  3. どの工程を自社でやるのか
  4. 動かす前に完成形を見せてもらえるか
  5. 修正は「どこから追加費用か」
  6. 日程に「こちらの判断の締切」が書かれているか
  7. 見積書の項目が分解されている

すべてを確認する時間がなければ、①②④の3つだけでも十分に効きます。いずれも、金額を比べる前の段階で分かることばかりです。

粕田屋のこれまでの制作は制作実績ページでご覧いただけます。「何を伝えたいか」だけ決まっていれば、そこから工程を組み立ててご提案します。社内で方向性が固まりきっていない段階でも構いませんので、サービスページからお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

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株式会社粕田屋代表 粕田辰哉

企画から構成、グラフィック・イラスト制作、アニメーション制作、音楽・アフレコディレクションまでアニメ動画コンテンツ制作を一貫して担当可能なマルチクリエイター。

動画制作チームを組織し、幅広いジャンルのコンテンツ制作をディレクションしている。

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