動画制作の費用は何で決まるのか|金額が動く6つの要因

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動画制作の費用は何で決まるのか|金額が動く6つの要因

同じ「30秒の動画」なのに、A社の見積もりは35万円、B社は180万円。 複数社から相見積もりを取ったことがある方なら、この状況に心当たりがあるはずです。しかも、何がどう違うのかは説明されないまま、「弊社は品質が違います […]

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同じ「30秒の動画」なのに、A社の見積もりは35万円、B社は180万円。

複数社から相見積もりを取ったことがある方なら、この状況に心当たりがあるはずです。しかも、何がどう違うのかは説明されないまま、「弊社は品質が違いますので」で終わってしまう。

社内で予算を通す立場からすると、これが一番困ります。高いほうを選ぶ理由も、安いほうを選ぶ理由も、説明できないからです。

インターネットで「動画制作 費用」と調べても、出てくるのは「30万円〜300万円」という10倍幅のレンジばかり。これでは自社の案件がどこに着地するのか判断できません。

この記事では、制作する側から見て何が金額を動かしているのかを6つの要因に分解します。読み終わる頃には、自社の案件がどのゾーンに入るのかを自分で見積もれるようになっているはずです。そして、見積書を並べたときに「この差はどこから来ているのか」が分かるようになります。

なぜ相場記事は幅の広い金額しか書けないのか

結論から言うと、「動画」という単位が大きすぎるからです。

同じ「30秒の動画」でも、スマートフォンで撮った映像に字幕を付けたものと、ロケ地を押さえて撮影スタッフを組み、アニメーションを合成し、声優を呼んで収録したものでは、まったく別の作業になります。この2つを同じ言葉で呼んでいる以上、金額が10倍離れるのは当然です。

つまり尺や本数から費用は決まりません。決めているのは「何を、どこまで、ゼロから作るか」です。以下の6つが、その中身になります。

要因① 素材をゼロから作るか、既存の素材を使うか

金額を最も大きく左右するのがここです。他の5つを全部合わせたより、この1点の影響が大きいこともあります。

既存素材を使う場合

ストック素材のサイト(有料の映像・イラスト・音楽のライブラリ)から必要なカットを選び、編集で組み立てる方法です。素材が既にあるので、制作は「選ぶ」「並べる」「整える」の作業になります。

短所は、他社と同じ素材になる可能性があること。同じサイトから誰でも買えるので、競合が同じ映像を使っていた、ということが実際に起こります。また、自社製品そのものを映すことはできません。

オリジナル素材を作る場合

イラスト、キャラクター、背景、アイコン、実写カットを、その動画のために新しく作ります。自社製品も、伝えたい場面も、思ったとおりに映せます。

ただし、イラスト1枚にも作業時間がかかります。登場する画面が20カットあれば、20カット分の素材制作が必要です。ここが積み上がって金額になります。

どちらを選ぶかの判断

ブランドイメージを作る目的なら、オリジナル素材でないと意味がありません。逆に社内向けの説明動画や、短期間だけ使う告知動画であれば、ストック素材で十分なことも多いです。「その動画が何年使われるか」を考えると判断しやすくなります。

要因② 実写かアニメーションか

実写の撮影現場とアニメーション制作の比較

よく「アニメのほうが高い」と思われていますが、一概には言えません。かかるものが違うだけです。

実写にかかるもの

撮影は1日でいくらという単位で動きます。カメラマン、照明、音声、スタイリスト、出演者、ロケ地の使用料。それぞれに人と時間の費用がかかり、当日ぶんがまとめて発生します。

一般的な相場では、撮影費は10万〜100万円程度とされています。内訳の目安は、撮影スタッフの人件費が3万〜35万円、機材費が5万〜50万円、キャスティング費が5万〜50万円、スタジオ使用料が5万〜40万円ほど。どこまで人と機材を揃えるかで、この幅が生まれます。

そして見落とされやすいのが、撮影した後の編集費です。実写は「撮れば終わり」ではありません。

何時間も回した素材から使うカットを選び、順番に並べ、テロップを入れ、色味を整える。撮影が1日でも、編集には数日から数週間かかります。そして編集費は、見積もりの中で最も差が出やすい項目です。どこまで手をかけるかで、仕上がりも金額も大きく変わります。目安としては、実写動画の編集で10万〜50万円程度、アニメーション動画の編集では20万〜100万円程度が一般的とされています。

見積書を見るときは、「撮影費」と「編集費」が分かれているかを確認してください。撮影費だけが安く見えて、編集費が別立てになっているケースがあります。

その代わり、撮影が終われば映像素材は手に入ります。追加で「あと1カット足したい」となると再撮影が必要になるため、事前の設計が重要になります。

アニメーションにかかるもの

撮影日という概念がない代わりに、絵を描く時間がそのまま費用になります。カット数、キャラクターの数、動きの複雑さで積み上がります。

強みは、現実に撮れないものを映せることです。製品の内部構造、目に見えない仕組み、抽象的な概念。それと、後から修正しやすい。「このセリフを変えたい」が、実写より低コストで通ります。

組み合わせる場合

実写で撮った映像にアニメーションを重ねる方法もあります。実際の商品を映しながら、目に見えない効果をアニメで見せる、といった使い方です。両方の制作工程が必要になるぶん費用は上がりますが、実写だけ・アニメだけでは届かない表現ができます。

要因③ 人が登場するかどうか

見落とされやすいのがここです。人が出るだけで、動画の作りは大きく変わります。

実写なら出演者のキャスティングと出演料が発生します。タレントを起用すれば当然高くなりますが、それ以上に注意が必要なのが契約期間です。多くの場合「1年間」といった使用期限があり、期限を過ぎて使い続けるには追加契約が必要になります。制作費とは別に、この更新費用が後から効いてきます。

アニメーションでキャラクターを出す場合は、キャラクターデザインという工程が増えます。正面・横・後ろの設定、表情のパターン、服装。1体作ると、その後の全カットでそのキャラクターを動かし続けることになるので、最初の設計に時間をかける必要があります。

逆に、人を出さずに製品と文字と図だけで構成すれば、この工程はまるごと不要になります。伝えたい内容によっては、人がいないほうが伝わることもあります。

要因④ 音(ナレーション・音楽・効果音)

ナレーターの宅録とスタジオ収録の比較

映像に比べて軽く見られがちですが、動画の印象を決めるのは音です。ここも段階があります。

ナレーション

まず、合成音声を使うか、人に読んでもらうかの分かれ目があります。合成音声は費用を抑えられますが、感情の起伏や間の取り方には限界があります。

人に依頼する場合、必ずしもスタジオを押さえる必要はありません。ここが誤解されやすいところです。収録の方法は2つあります。

ナレーターの宅録スタジオ収録
費用出演料のみ出演料+スタジオ代+エンジニア費用
ディレクション指示は伝えられるが、
その場での細かい調整は難しい
立ち会って、その場で細かく指示できる
音質プロ用の機材で録るので実用上は十分スタジオ品質

費用の目安も見ておきましょう。宅録の場合、400文字程度の標準的なナレーションで1万2,000円〜2万5,000円ほどが相場です。スタジオ収録ではこれにスタジオ代(1時間あたり数千円〜2万5,000円程度)とエンジニア費用が加わります。用途によっては、宅録を選ぶだけで費用を大きく抑えられます。

音質の差について、正直なところをお伝えします。Web配信の動画であれば、宅録とスタジオ収録で聞き比べても、ほとんどの人は違いが分かりません。ここで予算を使うべきかは、用途次第です。

差が出るのはディレクションの細かさのほうです。商品名の発音、強調する箇所、間の取り方、テンポ。こういった調整をその場で何度も試したい場合は、スタジオ収録を選ぶ意味があります。逆に、原稿どおり読んでもらえれば十分という内容なら、宅録で費用を抑えられます。

音楽

ライブラリから既存曲を選ぶのが一般的です。オリジナル楽曲を作ると費用は上がりますが、ブランドの音として長期的に使える資産になります。

効果音とMA

効果音を1つずつ配置し、全体の音量バランスを整える作業をMA(マルチオーディオ)と呼びます。ここを省くと、セリフが聞き取りにくい、BGMだけ大きい、といった状態のまま納品されます。予算を削る場所としては、あまり勧められません。

要因⑤ 修正回数の扱い

見積書に「修正2回まで」「3回まで」と書かれていることがあります。ここの解釈で総額が変わります。

確認しておくとよいのは、何をもって1回と数えるかです。「気づいた点をまとめて送る」のと「思いついた順に送る」のとでは、同じ修正量でも回数の消費が変わります。まとめて送ったほうが有利、という会社は多いです。

もうひとつは、どの段階からが修正に入るか。絵コンテ段階での方向転換は修正に数えない会社もあれば、数える会社もあります。完成間際の作り直しは、当然ながら追加費用になります。

ちなみに粕田屋は修正回数の上限を設けていません。制作の途中で方向が固まっていくのは自然なことですし、納得できないまま納品しても使ってもらえないからです。回数を気にせず、納得いくまで言っていただける前提で進めています。

ただし工程をまたぐ手戻り——たとえば映像が完成した段階で構成そのものを変える、絵コンテで決めた内容を制作後にやり直す——といった場合は、作業量が大きく変わるため、別途費用やスケジュールの調整をご相談させていただくことがあります。この線引きは最初にお伝えしています。

回数制限があること自体は悪いことではありません。制限があるなら、その前提で発注側も準備できるというだけです。社内で誰が確認するのか、決裁者はいつ見るのか。これを最初に決めておくと、修正回数を無駄に使わずに済みます。

要因⑥ 納期

短納期は費用を押し上げます。理由は単純で、同時に動かす人数を増やすか、他の案件を止めるかのどちらかが必要になるからです。

一般的な30秒の動画で、企画から納品まで1か月半から2か月が標準的な進み方です。内訳は、企画と構成に2週間、絵コンテの確認と修正に2週間、制作に3週間、仕上げと修正に1〜2週間ほど。ここに社内確認の時間が加わります。

種類別に見ると、撮影を伴う実写動画で1.5〜2か月、アニメーション動画で1〜1.5か月が目安とされています。ただし全編をアニメーションで作り込む場合は2〜4か月かかることもあります。

逆に言えば、納期に余裕があると費用は下がりやすいということでもあります。「いつまでに必要か」を先に伝えると、制作会社は現実的な提案をしやすくなります。

粕田屋のプランが分かれている理由

ここまでの6つの要因が、そのまま粕田屋のプランの分かれ目になっています。サービスページで公開している内容を、この記事の文脈で説明し直します。

プラン価格何が違うか
ライト5万円〜ストック素材を使う。編集と簡単なアニメーションが中心。短期間で使う告知動画、社内向け資料など
ベーシック50万円〜オリジナル素材を作る。その動画のために絵を描き起こす。長く使う紹介動画、サービス説明など
プレミアム120万円〜オリジナル素材に加えて修正回数無制限。関係者が多く、確認の往復が読めない案件。CM、ブランディング

5万と50万の間にあるのは「素材をゼロから作るかどうか」。50万と120万の間にあるのは「どこまで作り込むか」と「確認の回数」です。動画の長さではありません。

見積もりを取る前に決めておくと早い5つのこと

相談の前にこの5つが決まっていると、初回から現実的な金額が出せます。逆にここが曖昧だと、制作会社は幅のある見積もりしか出せません。

  1. 誰に見せるのか — 既存顧客か、新規か、社内か、採用候補者か
  2. どこで流すのか — Web広告、自社サイト、展示会、営業の商談中
  3. いつまでに必要か — 使う日が決まっているか
  4. どのくらいの期間使うか — 1回きりか、数年使うか
  5. 予算の上限 — 言いにくいところですが、伝えたほうが早く進みます

特に4番目は見落とされがちです。3年使う動画なら、初期費用が高くても1年あたりでは安くなります。出演者の契約期間や素材のライセンス期間にも関わるので、最初に伝えておくと後の追加費用を避けられます。

まとめ

動画制作の費用を決めているのは、尺でも本数でもなく「何をゼロから作るか」です。

  1. 素材をゼロから作るか、既存素材を使うか(影響が最も大きい
  2. 実写かアニメーションか、または両方か(実写は撮影後の編集費も見る
  3. 人が登場するか(出演料・契約期間・キャラクター設計)
  4. 音をどこまで作り込むか(宅録かスタジオ収録か
  5. 修正回数の扱い
  6. 納期に余裕があるか

この6つを自社の案件に当てはめれば、おおよそどのゾーンになるかの見当がつきます。そのうえで複数社から見積もりを取ると、冒頭に書いた「35万円と180万円」の差がどこから来ているのかを、自分で説明できるようになります。

粕田屋では、企画の段階からご相談いただけます。予算が決まっていない段階でも、やりたいことを聞いたうえで「その内容ならこのくらい」という目安をお伝えしています。

この記事の監修者

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株式会社粕田屋代表 粕田辰哉

企画から構成、グラフィック・イラスト制作、アニメーション制作、音楽・アフレコディレクションまでアニメ動画コンテンツ制作を一貫して担当可能なマルチクリエイター。

動画制作チームを組織し、幅広いジャンルのコンテンツ制作をディレクションしている。

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