アニメCMができるまで|企画から納品まで7つの工程と期間の目安

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アニメCMができるまで|企画から納品まで7つの工程と期間の目安

アニメでCMをつくろう——そう決まったあと、担当者の方がぶつかりやすい場面があります。 どれも、アニメCMがどんな順番で、何を決めながらできていくのかが見えていないことから来ています。 先に答えを1つだけ言うと、アニメC […]

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アニメでCMをつくろう——そう決まったあと、担当者の方がぶつかりやすい場面があります。

  • 上司に「で、いつできるの?」と聞かれて、答えに詰まる
  • 制作会社に相談したいけれど、何を用意しておけばいいか分からない
  • 「アニメで」と言われても、自社の商品に合う見せ方が想像できない

どれも、アニメCMがどんな順番で、何を決めながらできていくのかが見えていないことから来ています。

先に答えを1つだけ言うと、アニメCMの制作期間は一般的に2か月前後。そして、発注側の判断が一番求められるのは、絵が動き出す前の最初の数週間です。ここを知っているかどうかで、スケジュールの組み方も、社内への説明のしやすさも変わります。

この記事では、粕田屋が手がけたアニメCMを3本ご覧いただいたうえで、企画から納品までの7つの工程を順番に紹介します。読み終わる頃には、冒頭の3つの場面に、自信を持って答えられるようになっているはずです。

アニメCMの見せ方は「誰に、何を伝えるか」で決まる

「アニメCM」と一口に言っても、誰に向けて、何を伝えるのかによって、ふさわしい見せ方はまったく変わります。粕田屋が制作した3本を、ターゲットと伝えたいことから見比べてみてください。

① イオンのカジタク 少女漫画篇(アクティア株式会社)

ターゲット家事の負担を減らしたい、20代後半〜40代の主婦層
伝えたいことエアコンの中の汚れへの不安と、プロに任せる安心感
選んだ見せ方少女漫画のタッチと演出。ターゲットが親しんできた表現で、広告への身構えを下げる

② Gakken Classroom アジア向けアニメ(学研ホールディングス)

ターゲットシンガポールやマレーシアなど、アジア地域の保護者と子ども
伝えたいこと算数の課題に挑む楽しさ
選んだ見せ方セリフもナレーションも使わない15秒。言葉の壁を越えるため、ゲームのような世界観と短い歌だけで物語を伝える

③ 建設業向け業務効率化システム「AnyOne」Web CM

ターゲット中小建設会社の経営者
伝えたいこと顧客管理・会議・書類管理など、バラバラな社内業務をまとめて効率化できること
選んだ見せ方社長と経理担当の奥さんの、漫才のような掛け合い。業界の「あるある」を笑いにして課題を伝える。SNS広告向けに縦型で制作

主婦層には共感で、海外の親子には言葉を使わずに、忙しい社長には笑いながら。見た目の違いは、ターゲットと伝えたいことから逆算した結果です。

そして、表現がここまで違っても、つくる工程はほぼ共通しています。ここからは、その工程を順番に見ていきます。

全体像|アニメCMは7つの工程でできている

アニメCMの7つの工程。ヒアリングから確認・納品まで、全体の目安は2か月前後

先に地図を渡します。アニメCMは、おおよそ次の7つの工程を順番に通ります。

  1. ヒアリング(目的・ターゲット・使う場所を確認する)
  2. 企画・シナリオ(何を、どんな流れで伝えるかを決める)
  3. 絵コンテ・ビデオコンテ(完成の設計図をつくる)
  4. デザイン・イラスト制作(キャラクターや背景など、画面に映るものをつくる)
  5. アニメーション制作(つくった絵を動かす)
  6. 音の仕上げ(ナレーション・BGM・効果音を入れて整える)
  7. 確認・修正・納品

全体の期間は、アニメーションのCMで一般的に2か月前後が目安とされています。表現の凝り方や、確認に関わる人数によって前後します。

ポイントは、①〜④の「動かす前」の工程が、全体の半分以上を占めるということ。絵が動き始めるのは⑤からです。

工程① ヒアリング|「誰に、どこで見せるか」を決める

最初の打ち合わせで確認するのは、主に次の3つです。

  1. 目的:社名を覚えてほしいのか、サービスの中身を理解してほしいのか、申し込みまでつなげたいのか
  2. ターゲット:誰に向けた広告か。年代・立場・その人が今困っていること
  3. 流す場所と尺:テレビ、SNS広告、展示会、Webサイト。場所によって、最適な長さも画面の縦横も変わります

先ほどの3本も、ここが違うから表現が違いました。主婦層に向けた広告なら少女漫画、言葉の通じない海外の親子に向けてならセリフのない映像と歌、忙しい建設会社の社長に向けてなら笑える掛け合い。表現は、ヒアリングで決まった条件から逆算して選んでいます。

発注側に用意していただきたいのは、商品・サービスの資料と、「この広告で何が起きたら成功か」のイメージです。完璧でなくてかまいません。ここが言葉になっているほど、次の企画が速く、正確になります。

工程② 企画・シナリオ|作品の軸が決まる、一番大事な工程

ヒアリングの内容をもとに、「何を、どんな流れで伝えるか」を企画にまとめます。ナレーションやセリフが入る場合は、ここでシナリオ(台本)も書きます。

30秒は、思っているよりずっと短い時間です。伝えたいことを全部入れると、何も残りません。この工程でやるのは、伝えることを1つに絞り、それが一番伝わる順番を決めることです。たとえば広告動画なら、次のような流れがよく使われます。

  • 困りごと(見る人が「自分のことだ」と思う場面)
  • 解決策の登場(商品・サービス)
  • 選ぶ理由(他と何が違うのか)
  • 次の行動(検索・申し込み・来店など)

この工程に、発注側の判断が一番集中します。ここで決めた軸の上を、以降の全工程が進むからです。企画は「お任せ」にする工程ではなく、発注側が一番深く関わっていただきたい工程です。

工程③ 絵コンテ・ビデオコンテ|動かす前に「完成形」を確認する

絵コンテとビデオコンテの違い。動かす前に完成形をそろえる

企画とシナリオが固まったら、それを絵コンテに落とします。どの場面で何が映り、どんなナレーションが入るかを、カットごとに絵で並べた設計図です。

さらにアニメCMでは、絵コンテを実際の尺で並べ、仮のナレーションや音楽を当てたビデオコンテをつくることがあります。粕田屋でも、この段階でビデオコンテをお見せしています。

絵コンテビデオコンテ
カットごとの絵と説明を並べた資料絵コンテを尺どおりにつないだ仮の動画
分かること何が、どの順番で映るかテンポ・間・ナレーションの長さ
向いている確認構成・内容のチェック「30秒に収まるか」「流れが自然か」のチェック

ここで大事なのは、動かし始める前に、完成形のイメージを発注側と制作側でそろえきることです。絵コンテの段階なら、構成の入れ替えもカットの追加も比較的簡単にできます。ところが、アニメーションを動かしたあとで構成を変えると、つくった素材と動きの多くをやり直すことになります。

社内で確認していただく方がいる場合は、このビデオコンテの段階で見ていただくのが一番おすすめです。

工程④ デザイン・イラスト制作|画面に映るものを、すべてつくる

設計図が固まったら、画面に映るものをつくります。アニメCMには撮影がないので、登場人物も、背景も、商品も、文字も、すべて一からつくる素材です。

  • キャラクター(表情・ポーズ・服装)
  • 背景・小物(場所の雰囲気、商品のイラストなど)
  • 文字・ロゴまわり(テロップの書体や色、ロゴの見せ方)

いきなり全部を描くのではなく、まずキャラクター1体や代表的な1場面で絵柄と色味を提案し、方向性の合意をとってから残りを制作します。絵柄の好みは言葉で共有しにくいので、1枚見て判断していただくのが一番早いからです。

この段階では、「動かすことを前提にした描き方」も重要になります。腕や目、口などを動かしたい部分ごとに分けて描いておくことで、次の工程で自然に動かせるようになります。

工程⑤ アニメーション制作|ここで初めて絵が動く

つくった素材を、ビデオコンテのとおりに動かしていく工程です。一般的に、動画制作の中でも特に時間がかかりやすい工程とされています。

動かし方にはいくつかの種類があり、どれを選ぶかは工程②〜④の段階で決まっています。

  • イラストを動かす:パーツに分けた絵を動かす。表情やしぐさを自然につけられる
  • モーショングラフィックス:図形・文字・アイコンを動かす。数字やしくみの説明が得意
  • セル画風・手描き風:1枚ずつ描いた絵をつなぐ。手間はかかるが、表現の幅が最も広い

表現に凝るほど、この工程は長くなります。同じ30秒でも、どこまで細かく動かすかで作業量は大きく変わります。「どこを一番見せたいか」が決まっていれば、力を入れる場面と、シンプルに見せる場面にメリハリをつけられます。

工程⑥ 音の仕上げ|ナレーション・BGM・効果音

映像がほぼ固まったら、を入れます。ナレーション、BGM、効果音。映像に比べて軽く見られがちですが、CMの印象を最後に決めるのは音です。先ほどの学研のCMは、セリフを使わず、映像と音楽だけで伝えきっている例です。

ナレーションには、大きく2つの録り方があります。

ナレーターの宅録スタジオ収録
立ち会いその場での細かい調整は難しい立ち会って、その場で指示できる
かかるもの出演料が中心出演料+スタジオ代・エンジニア費用
向いている場面原稿どおり読んでもらえれば十分なとき言い方・間・強調を何度も試したいとき

Webで配信する広告であれば、宅録でも十分な品質で仕上がることがほとんどです。最後に、ナレーション・BGM・効果音の音量バランスを整える作業(MA)を行います。ここを省くと「ナレーションが聞き取りにくい」「BGMだけ大きい」といった状態のまま納品されてしまうので、削らないことをおすすめします。

工程⑦ 確認・修正・納品|手戻りを小さくするコツ

仕上がった動画を確認していただき、修正を反映して納品します。ここでスケジュールが最も読みにくくなるのが、確認の往復です。

修正そのものは、この段階でも受け付けています。ただし、工程をまたぐ手戻り——たとえば完成した段階で構成そのものを変える、決まっていた絵柄を描き直す——といった場合は、作業量が大きく変わるため、別途費用やスケジュールの調整をご相談させていただくことがあります。修正の回数や範囲はプランによって異なりますので、詳しくはサービスページをご覧ください。

手戻りを小さくするコツは、次の2つです。

  1. 社内の確認者と決裁者を最初に決めておく
    確認が「気づいた人から順番に」だと往復が増えますが、「まとめて一度に」だと一気に進みます。
  2. 決裁者には、ビデオコンテの段階で一度見てもらう
    完成直前に初めて決裁者が見て方向が変わる、というのが一番大きな手戻りです。

期間の目安|工程ごとにどれくらいかかるか

一般的に言われている工程ごとの期間の目安を、表にまとめました。

工程期間の目安
①ヒアリング〜②企画・シナリオ1〜2週間
③絵コンテ・ビデオコンテ1〜2週間
④デザイン・イラスト制作1〜2週間
⑤アニメーション制作1〜2週間以上(表現に凝るほど長くなる)
⑥音の仕上げ数日〜1週間
⑦確認・修正・納品社内確認の回数・人数によって変わる

これに各段階での社内確認の時間が加わり、合計すると2か月前後になるのが一般的です。表現の凝り方や、確認に関わる人数によって前後します。

公開日が決まっている場合は、そこから逆算して、遅くとも2〜3か月前にはご相談いただくのが安心です。

まとめ

冒頭の3つの場面に、いまなら答えられるはずです。

  • 「いつできるの?」→ 一般的に2か月前後。公開日から逆算して、余裕を持って相談する
  • 「何を用意すればいい?」→ 商品・サービスの資料と、「誰に、どこで見せて、何が起きたら成功か」
  • 「どんな見せ方が合う?」→ 見た目から選ぶのではなく、ターゲットと伝えたいことから逆算して決まる

アニメCMは、7つの工程を順番に通ります。

  1. ヒアリング(誰に、どこで見せるか
  2. 企画・シナリオ(ここで作品の軸が決まる
  3. 絵コンテ・ビデオコンテ(動かす前に完成形をそろえる
  4. デザイン・イラスト制作
  5. アニメーション制作(時間がかかりやすい)
  6. 音の仕上げ
  7. 確認・修正・納品

発注側の判断が集中するのは②と③です。ここを早めに、しっかり固めるほど、後半がスムーズに進みます。

粕田屋のこれまでのアニメCM・広告動画は、制作実績ページでご覧いただけます。粕田屋では、企画の段階からご相談いただけます。「何を伝えたいか」だけ決まっていれば、そこから工程を組み立ててご提案します。まずは サービスページ をご覧ください。

この記事の監修者

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株式会社粕田屋代表 粕田辰哉

企画から構成、グラフィック・イラスト制作、アニメーション制作、音楽・アフレコディレクションまでアニメ動画コンテンツ制作を一貫して担当可能なマルチクリエイター。

動画制作チームを組織し、幅広いジャンルのコンテンツ制作をディレクションしている。

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